冬のボーナスはどうなるの?

皆さんこんにちは。問題解決型税理士の内田智弘です。

日本にとって、サラリーマンにとって、本当に喜ばしくないことなのですが、ニュースによると、医療機関従事者の年末賞与が、40%の看護師らへの賞与で引き下げられたとする調査結果があるようです。

これも新型コロナ感染症の影響なのですが、どの職種よりも神経を使ってハードに勤務している医療機関従事者のボーナスが引き下げられるのは、信じられないですし、すごく悲しいですね。

今回は、そんなボーナス(賞与)にかかわるお話です。

  1. 従業員への賞与は、経費になるのか?
  2. 特例となる経費算入の、その要件とは?
  3. 今後はどうするか?

 従業員への賞与は、経費になるのか?

・・・もちろんなります!

ならなかったら大変ですよね。。。

経費(損金)になるのか、ならないのか、というのは特に問題ないのですが、重要な問題は、その時期はいつになるでしょうか?

税務においては、「給与や交通費、消耗品費等」の「販売費や一般管理費」について、原則的に債務確定主義をとっています。

債務確定主義とは

① 債務が成立していること

➁ 給付原因となる事実が発生していること

③ 金額を合理的に算定することができるものであること

の要件をすべて満たすものとなります。

そのため、もし決算期が3月ということであれば、3月31日までに、上記の要件をみたすもののみ、経費(損金)とすることができる、ということになりますね!

それでは、給与に関してはどうでしょう?

① 雇用契約等により、当事者間での労務の提供に対する支払いが約されているのであれば、支払いの義務は発生してますね。

➁ 給付の原因となる事実である、労務の提供がなされていますね。

③ 金額についても、給与規定や雇用契約により定められている計算で合理的に算定することは可能ですね。

以上により、例えば、給与支払日が毎月25日であっても、26日から月末までの給与を未払計上することも可能なのです。

事務的にはとっても煩雑ですが。。。

これが原則的な取り扱いですが、決算をむかえてみたら予想以上の黒字になっていたので、臨時的なボーナス(就業規則に定められている支給日以外に支給する賞与等)を支給したいときってどうなんでしょう?

上述した原則の要件も満たす可能性もありますが、決算賞与の債務確定要件として定めている要件を満たすことによって、経費(損金)とすることができるのです!

原則的な取り扱いは、以下にリンクがあります!

【販売費、一般管理費その他の費用における債務確定の判定】へのリンクはこちらをクリック!

 特例となる経費算入の、その要件とは?

臨時的な決算ボーナスを経費(損金)とするには、以下の要件を満たす必要があります。

① その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受ける全ての使用人に対して通知をしていること。

※法人が、支給日に在職する使用人のみに賞与を支給することとしている場合の、その支給額の通知は、ここでいう「通知」には該当しません。

② ①の通知をした金額を通知した全ての使用人に対し、その通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1ヶ月以内に支払っていること。

③ その支給額につき①の通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。

そのほか、就業規則等に支給日や算式等がきちんと定められているボーナスであったり、その決算期末までに現金等で支給が済んでいるのであれば、上記の要件を満たす必要なく、経費(損金)にすることができます。

【使用人賞与の損金算入時期】へのリンクはこちらをクリック!

 今後はどうするか?

ボーナスは多額のキャッシュアウトとなる可能性があるので、まずは資金繰りを大事にしましょう。

未払賞与で経費(損金)にできる方法もありますが、金額の通知義務があったりします。

通知をしたにもかかわらず、支給ができない状況となれば、それこそ本末転倒で従業員のモチベーションは下がるだけでしょう。

資金繰りを大事にしたうえで、賞与を決定したら、決算期末までに支給するのも良いですし、未払計上するときには、上述した経費算入(損金算入)の要件をしっかりと確認して手続きしていきましょう。

今後、本投稿以外の分野でも税務関係等ののお困りごとがございましたら、ぜひご相談ください。

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