皆さんこんにちは。問題解決型税理士の内田智弘です。
今回は交際費です!
個人事業主ではなくて、法人のお話ですね!法人が支出した交際費についてですが、税務においては基本的に、交際費を経費にできる限度というものが存在しているのです。
皆さんが交際費をすべて経費にしたいお気持ちは理解しているのですが、税務の世界ではそうもなかなかいきません。。。
一体どうしたら経費になるのかを見ていきましょう!
- 交際費とは?
- 会社の規模による限度の違い
- 交際費から除かれる費用とは?
- 今後はどうするか?
交際費とは?
でも交際費って何でしょう?
飲み食いの費用?お客さんとの接待?従業員との飲食は?お礼のお品は?
なんて色々ありますよね。
イメージとして強いのが接待費用となるのですが、その他も色々あるので、細かく見ていきましょう!
まずは定義です。
「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するもの」
全て理解するのは難しいところですが、簡単には、事業関係者との食事や事業関係者への贈答品等が対象となると理解しておけば充分でしょう!
会社の規模による限度の違い
交際費に該当すると、なんと原則的には経費にできないのです!
しかし、会社の規模により、一定の計算式があるので、見ていきましょう!
前提として、定額控除限度額(800万円)があります。
(1)期末の資本金の額又は出資金の額が1億円以下である等の法人(規模の中小な法人)
次のいずれかの金額となります。
①事業関係者との接待食事費用の50%に相当する金額を超える金額(が経費にできない。)
➁定額控除限度額を超える金額(が経費にできない。)
つまりは、➁定額控除限度額800万円が基本となりますが、①の金額のみで800万円超えるなら、①のほうが有利ですね!
(2)上記(1)以外の法人(規模の大きな法人)
期末の資本金の額又は出資金の額が100億円をこえる法人を除いて、上記(1)の①の限度計算となります。
つまりは、事業関係者との接待食事費用の50%のみが経費になるということになりますね!
交際費から除かれる費用とは?
交際費に該当してしまうと、限度計算の枠になるのですが、そもそも、例えば飲食費用であっても交際費に該当しないものもあります。
その種別ごとに交際費から除かれる費用をしっかりと理解しましょう!
次に掲げる費用は交際費等から除かれます。
(1) 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
(2) 飲食等の費用で、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用
なお、この規定は一定の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。
(3) その他の費用
①カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用(広告等費用)
➁会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用(会議等費用)
③新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用(宣伝等費用)
今までの詳細が以下の国税庁リンクにあるので、詳細はこちらで確認してくださいね!
【交際費等の範囲と損金不算入額の計算】へのリンクはこちらをクリック!
今後はどうするか
以上をふまえると、交際費については限度計算がされているので、交際費に計上されたあとは、その計算を行うだけになってしまいます。
やはり交際費から除かれる費用というのがポイントとなりますね!
交際費に該当 ⇒ 制限により限度超過分は経費にできない
交際費に非該当 ⇒ 原則的に、すべて経費にできる
この除かれる費用をきちんと理解し、その費用がなぜ除かれるのかについての説明ができるようにして、飲食費については、5,000円以下のものが除かれたり、事業関係者とのものが限度計算上で優遇されたりするので、その日付や相手先等を記録しておくようにしましょう!