皆さんこんにちは。問題解決型税理士の内田智弘です。
今回のお話は、株主(財産権)構成のお話です!
株主とは、会社設立時の資本金を負担するかたとなり、その権利は多岐にわたります。
同族会社であれば、オーナーが株主と代表を兼務する場合が非常に多いですが、将来の承継等を考えたときには、その株式保有割合も考えていく必要があるのです!
- 株主の権利とは?
- 株式の保有割合によってできることが違う?
- 種類株式とは?
- 今後はどうするか?
株主の権利とは?
株式とは、株式会社における社員の地位であり、その株式を保有する株主とは、資本金を拠出する出資者ということになります。
会社法上において、株主に特別な資格や制限はなく、株主は1人でも会社設立上は特に問題ありません。
いくら出資するかどうかも自由です。
株主1人が100万円出資した場合には、資本金100万円の会社が設立されることになり、株主2人が150万円ずつ出資した場合には、資本金300万円の会社が設立できますね。
株式の保有割合によってできることが違う?
株主としての基本的な権利のほか、その保有割合によって権利の強さが異なってくることは知ってますか?
以下のように、保有割合により、権利が違います!

なかでも、ポイントとなるのが「過半数」のラインと「3分の2」のラインが実務上でも重要なラインでしょう。
過半数を保有していれば、役員等の選任や取締役等の解任を行うことが可能となり、3分の2超を保有していれば、定款変更、組織再編、解散等の決議等もできることになります。
そのため、仮に3分の2超を保有していない場合には、3分の2超をどのように保有できるかを検討することをおすすめします。
そこまでが難しい場合には、過半数が一旦の目安になると思います。
この「株式保有割合」なのですが、1人で満たす必要はありません!
場合によっては、必要となるケースもあるのですが、親族や自身の味方を含む保有割合を考えることで良いと思います。
最終的には、株主総会等で決議が可能かどうかという局面となりますので、もし仮に自身の意見に賛同する割合が3分の2超あれば良いわけです。
問題になりやすいケースとしては、現在は1人株主でも問題ないのですが、以前は最低人数制度があり、そのときに名義を借りているようなケースです。
本来は、名義を借りただけなので、実質保有者ではないのですが、実質保有者として主張されたときには、問題となります。
そうすると、保有割合を高めたい場合、譲っていただくか買い取るしかないのですが、さらに問題となるのが、その譲渡価格です。
名義を貸しているはずが実質保有を主張するのですから、価格も難航するケースがほとんどです。
諦めてしまって保有割合を高められない場合は、それこそ、会社支配ができませんから、重要な決定事項についての決議スピードは落ちるでしょう。
株主構成を確認して、経営に支障のない保有割合を保てるように進めていくのが、会社経営や今後の事業承継においての最大のポイントとなります。
種類株式とは?
株主構成を変えていくときの手法として、種類株式を利用する方法もあります。
こちらは、以前にブログで寄稿しています!
【種類株式で後継者への事業承継を考える!】へのリンクはこちら!
今後はどうするか?
事業承継専門部署で勤務していたときには、さまざまな株主問題がありましたが、やはり、数十年前の会社設立時の名義を借りたままになっていて、その株主と長い間連絡をとっていなかったり、福利厚生として従業員に割安で譲ってしまったりと。。。
昔は相続税対策で分散をとる形もあったのですが、近年では、その分散株式の買戻しが問題であり、困難をきわめています。
最悪のケースでは、ある問題をきっかけとしての訴訟リスクに発展しかねませんので、株主構成をしっかりと把握し、会社を第三者に支配されないようにリスク管理をしていきましょう!
今後、本投稿以外の分野でも、以下のような税務関係等ののお困りごとがございましたら、ぜひご相談ください。
・相続税の申告が必要かどうか判断する。
・おおよその相続税をシミュレーションする。
・相続財産を分割する際の不動産のおおよその価値を把握する。
・現状の株価を試算して事業承継を考える。
・創業するので、相談にのってほしい。
・法人化のメリットとデメリットを聞きたい。
内田税理士事務所 代表税理士 内田 智弘