役員に賞与をあげたい!

皆さんこんにちは。問題解決型税理士の内田智弘です。

今回は、役員へ支給する金銭のお話です。

原則的に役員への賞与は認められず(経費にならない)、定期同額給与(1ヶ月ごとの同額給与等)のみが認められる(経費になる)のが基本です。

しかし、さすがに業績が右肩上がりで臨時的な利益がでたときにはボーナスを支払ってモチベーション維持をしてほしいですよね!

これってきちんとした手続きを踏めば可能なんです!

詳細を見ていきましょう!

  1. 定期同額給与とは?
  2. 役員への賞与はどうやって?
  3. 今後はどうするか?

 定期同額給与とは?

この定期同額給与という言葉は上述しましたが、役員に支給する金銭で、最も簡単に支給がしやすく、かつ、損金(経費)になる給与かと思います。

要は、従業員と同様に1ヶ月に1回、役員に給与を支給してくださいね、と。

ただ、役員は会社経営側の人間なので、利益相反の問題もあります。

そのため、毎月おおむね同額ならば認めますよ、というものです。

通常の改訂のタイミングもあるのですが、年1回のみです。

決算期後、3ヶ月以内の改訂までは認めてもらえます。

改訂は1年間、ぐっとこらえましょう。

その他にもあるのですが、役員として出世したケース(増額改訂)や、著しい業績不振のケース(減額改訂)などがあります。

著しい業績不振のケースでは、このコロナ禍のケースにも該当する可能性がありますね!

詳細は、以下のリンクで確認してみてください!

【定期同額給与】へのリンクはこちらをクリック!

 役員への賞与はどうやって?

上述した「定期同額給与」とは異なり、「事前確定届出給与」というものです。

文字どおり、事前に確定した金額の届出をしている給与です。

つまり、急に支給を決めるような利益調整でなければ、認めます、というもの。

この手続きを踏めば、事前確定届出給与(賞与)も損金(経費)にすることが可能なのです!

手続き上として、まずは株主総会での決議(新設法人および臨時改定事由以外)が必要となります。大規模法人だと難航しそうな感じもしますが、同族会社であれば特段の問題もありませんね。

議事録では、支給対象者の役職月額給与の金額のほか、支給日も定める必要があると思います。

この「支給日」が何よりも重要なのです。

次に、税務署に対して届出(お知らせ)をします。

こちらは、書式に従って記入していくだけとなりますが、届出のほか、付表もあります。

この付表に、重要な「支給日」も記入していくことになります。

税務署への届出が完了したら、準備は整いました!

【事前確定届出給与に関する届出】へのリンクはこちらをクリック!

【事前確定届出給与(通達)】へのリンクはこちらをクリック!

 今後はどうするか?

届出をしたことで、準備は整ったのですが、注意点もあるのです!

なんと、その金額どおり、その日付どおり、支給しないと損金(経費)にできないのです!

そのため、厳密には1日支給日が異なっても認められませんし、1円異なっても認められません。

国税庁の質疑応答があるので見ていきましょう。

この事例では、

①6月26日の株主総会で「冬季ボーナス300万円を12月25日」「翌夏季ボーナス300万円を6月25日」として定めており

➁冬季ボーナスは予定どおり300万円、翌夏季ボーナスは50万円しか支給できませんでした。

③結果として、冬季ボーナスは損金(経費)OKで、翌夏季ボーナスは50万円損金(経費)として認められません

救いとしては、届出内容すべてが否認されるわけではないのですが、やはり届出どおりとならなかった50万円は、認められません。

事業を継続していくと、臨時的な利益もあるかもしれませんが、コロナ禍に代表されるように、臨時的な減少も予測していかなければなりません。

ボーナスとしての事前確定届出給与も良いのですが、もちろん要件を満たして、月々の給与を増額しても良いのです。

届出なんて必要ありません。

今後の事業計画や利益をきちんと見据えたうえで、メリットデメリットを考慮しながら慎重に判断し、くれぐれも損だけはしないようにしていきましょう!

【定めどおりに支給されたかどうかの判定(事前確定届出給与)】へのリンクはこちらをクリック!

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